ｵﾋﾟﾆｵﾝ26/２１世紀型マーケターの条件/2007.08

　Ｄ２Ｃは、タブロイド版８頁の新聞「ＤＤＮｅｗｓ」を隔月で発行しています。

定期発行されているという点で、世界で唯一のモバイル広告・マーケティング業界紙です。（たぶん）

　この中で、新聞の社説にあたる「オピニオン」というコーナーを、編集長（私ではありません！）のお許しを得て、創刊当時から書かさせてもらっています。

　昨日は、「モバイル広告大賞」のトロフィーをお渡ししに、リクルート様に伺った際、リクルートのＳさんから「８月１０日号（第２６号）のオピニオンに共感した！」と聞かされ、お世辞とわかっていながらも嬉しさのあまり、本ブログで紹介することにしました。

　さらに調子に乗って、今後、新しい「ＤＤＮｅｗｓ」の発行と同時に、「オピニオン」の新作を本ブログで紹介します。

また、「ＤＤＮｅｗｓ」はバックナンバーに欠品も出ているので、過去のオピニオンも随時紹介したいと思います。

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「２１世紀型マーケターの条件」

●モバイル広告大賞

　７月１９日、モバイル専門の広告賞として世界で最も歴史のある（わずか６年だが・・）「モバイル広告大賞」の贈賞式を行った。

受賞企業のお話をお聞きすると、２１世紀の優れたマーケターの姿は、２０世紀のそれとは随分異なるように見える。そこで、私が考える「２１世紀型マーケター３つの条件」を提言したい。

●習慣の変化に対応

一つ目の条件は、「人々の習慣の変化に気づき、対応している」こと。

２１世紀に入り、生活者を取り巻く環境は大きく変化した。その結果、生活者の日常習慣も変化している。

中でも、1999年に登場した「ｉモード」が普及を牽引した携帯電話によって日常習慣が大きく変化（待合せの時間場所はアバウト、携帯で時刻を確認、カメラでメモ、スキマ時間で家や仕事や買いたいものを探す・・・）したことに、誰も異論はないだろう。

ターゲット顧客の生活習慣が変われば、当然マーケティングも変える必要がある。「２０世紀の常識・定石は、２１世紀の非常識・非定石」なのだ。

●実感だけでは不足

二つ目は、「自分の見えないところで、ものすごく多くの人達が動いていることに気づき、情報収集の努力をしている」ことだ。

本来マーケターは、誰よりも新しい手法に敏感で、優れた手法をどんどん取り込むのが仕事のはず。しかし、２１世紀の今、１億人の生活者がモバイルを毎日使っている（しかも通話以外で！）にも関わらず、驚くほど見て見ぬ振りをするマーケターが多い。「自分の範疇ではない」という意識を持った時点で、「ターゲット顧客を見つめる」というマーケターの役割を果たしていない。　

メディアやツールが多様化した２１世紀のマーケターは、「自分の知らないメディアやツールによって、常に誰かが画期的なマーケティングを行っている」との自覚を持ち、情報収集を怠ってはいけないのである。

●３つの禁句

最後はこれだ。「次の三つのフレーズを言ってはいけない。①実績が無いから・・、②同業他社がやってないから・・、③チャンスも大きそうだが、リスクもありそうだから・・」。

このようなことを言う人こそ、その企業のリスクになっていることに、本人も周囲も気づくべきだ。

さて、御社のブランドを担当する人達は、以上の条件を満たしているだろうか？そして、貴方自身は、いかがだろうか？

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　実はこれ、私が考え出したわけではなくて、リクルートのＳさんのような、「モバイル広告大賞」受賞企業の方々とお会いして感じたことを、書き出してまとめただけなのです。

だから、多くの若手マーケターの方に共感をしていただいているのでしょう。